スペインワイン

ぶどう栽培面積世界一、ワインの生産量は世界第3

(樹間間隔が広い、各地の統制委員会による厳しい規制措置などが理由)

国内生産量比率:赤55%、白17%、泡15%、ロゼ5%、酒精強化5%

 

スペインワイン特徴:太陽の恩恵から生まれる「vinousワインらしい)」ワイン

明るく、親しみやすく、素直で、はっきりとして、頼もしい。

 

全土で複雑な地勢や気象のもと、その土地の固有品種でワインが造られるため

各地のワインは多様性に富む。

 

地勢:ユーラシア大陸の南西端に突き出たイベリア半島の約8割。

北緯43度〜北緯36度。面積50万平方キロメートル(日本の1.3倍の国土

 

 

気候:大きく分け、東部(地中海性気候),内陸部(大陸性気候),北西部(西岸海洋性気候)


スペインワイン分類

スペインワインの特徴

場所:南ヨーロッパ

気候:日射量多い、降水量少ない

土壌:痩せこけている *ワイン造りに理想的な環境。

スペイン全土で、複雑な自然環境のもとワインが造られているため、多種多様なワインが生まれる。

 

現在70の原産地呼称(D0&DOCa)が存在する。

下の地図はその中でも特に代表的産地を表したもの。

白ぶどう品種

Airén【アイレン】

・マンチャ地方固有品種。世界で最も栽培面積の大きい品種。成熟すると酸度に欠けるが、バナナ、パイナップル、グレープフルーツのようなの風味があり飲みやすい。シェリーの酒精強化用の蒸留酒はほとんどがアイレンから。生や干しぶどうとして食される。南部ではライレンとも呼ばれる。

Verdejo【ベルデホ】

主な栽培地はDOルエダ。爽やかでありながら芳醇、深いコクと適度な酸味でなめらかな味わい。ほのかに後味に苦味を伴うことも。特徴的な香りは果実、フェンネル、ソーヴィニヨンブランに似た青草の香り(控えめ)。軽いタイプは輝きのあるライムイエローの外観。香りに白い花や少しミネラルの特徴。しっかりとしたタイプはイエローのニュアンスが現れ、粘性も豊富。

Albariño【アルバリーニョ】

ガリシア原産か、あるいは1世紀にサンティアゴ・デ・コンポステラへ向かう修道士たちによりライン川地方から持ち込まれたという説もある。

スペイン白ぶどうの中で最も高貴な品種とされる。リアスバイシャスの90%

果皮が厚く、風味豊か(香味成分やフェノール類豊富)ウドンコ病(カビ)への抵抗力が強い。

伝統的にペルゴラという棚立て栽培が多く用いられる。(日本のブドウ栽培方法と同じ)。

ルーツは不明だが、湿った地面から離れ風通しがよい。貧しいこの地方では、棚の下にキャベツなどの野菜を植えていたことも要因と考えられる。近年は垣根式栽培も増えている。

甘美で優雅、アロマッティックで芳香性に富む。柑橘系や黄色い熟した果実、桃の花のような香り。酸はやや控えめで、粘着性がある。滑かでフレッシュ、ミネラリー。旨味、深み、奥行きがある。樽熟成しないものがほとんど。

Godello【ゴデーリョ】
スペイン北西部のガリシア州とカスティーリャ・イ・レオン州の境を流れるシル川の渓谷が原産地。乾燥した土壌に適し、とくに斜面上で栽培されるものは品質が高い。

円すい形の房は小ぶり。早熟で、短期間に成熟する。

白系果実中心、繊細なフローラル香。非常に複雑な風味と味わい。

ふくよかなボディーと自然な酸味のバランスで、しなやかな飲み心地。

Treixadura【トレイシャドゥラ】

ガリシア州とポルトガル北部で栽培。ガリシアではリベイロが主産地。
顆粒は中から大の大きさで房は均整のとれた楕円形をし、果皮はやや灰紫がかった色をしている。

リアス・バイシャスやモンテレイでは多品種と混合し用いられる。アルバリーニョに似ているが個性は弱いとされる。グリセリンも多くない。フローラルノートと強烈な柑橘系のアタック、熟れたりんごやパイナップルの香り。

黒ぶどう品種

Tempranillo【テンプラニーリョ】

リオハ・ナバーラ地方原産。「早熟」という意味を持つ。スペイン最高の赤ワイン品種。

栽培地はスペイン(リオハ、ナバーラ、リベラデルドゥエロ、トロ、ラマンチャ)ポルトガル、アルゼンチン。別名(ティント・フィノ、ティンタ・デル・パイス、ティンタ・デ・トロ、センシベル、ウル・デ・リュブレ、ティンタ・ロリス、アラゴネスetc

厚い果皮を持ち、比較的高温で最もよく育ち、暑すぎる気候にも耐える。

赤みを中心に濃すぎることのない外観。 赤い花、赤い皮の小果実、サクランボ、プラムなど熟したニュアンス。非常に繊細で香りが良く、担任も酸度も豊かで長期熟成に耐えられる。樽香との相性が良い。

Garnacha【ガルナッチャ】

アラゴン地方原産。赤ワイン用品種では世界で最も栽培面積が大きい。スペイン全土で最も広範囲に栽培。広まった理由は、土壌を選ばず病害にも強く栽培しやすい。収穫量も多い。アルコール度が程よく、金色を帯びた魅惑的な赤色とほどよい酸味を持つワインができる。長い間評価されていなかったが、近年偉大な素晴らしいワインが多く造られている。

Mencía【メンシア】

ガリシア州やカスティーリャ・イ・レオン州のDOビエルソで栽培。

 

生育・成熟期間が短く、樹勢はそれほど強くない。房はほぼ円柱形で、皮はそれほど厚くない。テンプラニーリョよりもタンニンや酸味が少ない成分で構成されている。山の麓で感じる草や土の感じのある、滋味深いワインになる。スペインのピノノワールと形容され、上品なアロマ、爽やかで綺麗な酸味を備えたワインになる。

潜在アルコール度数が高い。醸造家の努力と、革新的な技術の導入により、注目されるワインが造られている。

 

Bobal【ボバル】

悪天候に耐えうる、高い収量、濃い色調、豊富なタンニン、高い酸度。

房のサイズがバラバラで、実が詰まっている。過去はブレンド用かバルクワインとして使用。

近年、栽培・醸造技術の進歩により高品質なボバルのワインを作ることが可能に。

Monastrell【モナストレル】

干ばつに強い。豊富な日射量を必要とし非常に晩熟。

深いルビー色で果実味に溢れる。アルコール度の高い力強いワインができる。

赤、ロゼ、カヴァ、甘口と幅広いタイプのワインになる。

お料理との相性例

魚介の前菜とカバ
魚介の前菜とカバ
天ぷらとカバ
天ぷらとカバ
パタタ・ブラバスとカバ
パタタ・ブラバスとカバ

乾杯にロゼカバ
乾杯にロゼカバ
ピッツァマルゲリータとロゼカバ
ピッツァマルゲリータとロゼカバ

カキとゴデージョ
カキとゴデージョ
ピキーリョの詰め物とガルナッチャブランカ
ピキーリョの詰め物とガルナッチャブランカ
鯛とリオハ白
鯛とリオハ白
揚げたイワシとゴデージョ
揚げたイワシとゴデージョ

和牛と野菜の炭火焼とベルデホ
和牛と野菜の炭火焼とベルデホ
ムール貝とアルバリーニョ
ムール貝とアルバリーニョ
鳥のからあげとアルバリーニョ
鳥のからあげとアルバリーニョ

白身魚の生春巻きとゴデージョ
白身魚の生春巻きとゴデージョ
フルーツウルジョアとゴデージョ
フルーツウルジョアとゴデージョ

エビ松茸とリオハヴィウラ
エビ松茸とリオハヴィウラ
魚串とベルデホ
魚串とベルデホ
アオサの茶碗蒸しとアルバリーニョ
アオサの茶碗蒸しとアルバリーニョ
白いんげん豆煮込みとゴデーリョ
白いんげん豆煮込みとゴデーリョ

魚とアルバリーニョ
魚とアルバリーニョ
ピンチョスとベルデホ
ピンチョスとベルデホ
タコとアルバリーニョ
タコとアルバリーニョ
貝とゴデーリョ
貝とゴデーリョ

ロゼ・特殊白

エスペトとリオハ白CVC
エスペトとリオハ白CVC
中華スープとリオハ白CVC
中華スープとリオハ白CVC
インドネシアちまきとマセラード
インドネシアちまきとマセラード
インドネシア肉蒸しとマセラード
インドネシア肉蒸しとマセラード

トルティージャとロゼガルナッチャ
トルティージャとロゼガルナッチャ
まかないアヒージョとロゼガルナッチャ
まかないアヒージョとロゼガルナッチャ
上海蟹とマセラード
上海蟹とマセラード
サーモンとリオハCVC
サーモンとリオハCVC

魚介のオジャとクラレテ
魚介のオジャとクラレテ
きのことリオハ白1982年
きのことリオハ白1982年
カニとリオハ・オノリオルビオ
カニとリオハ・オノリオルビオ
チョリソとロゼ
チョリソとロゼ

舌平目とマセラード
舌平目とマセラード
舌平目の炭火網焼きロダバージョ
舌平目の炭火網焼きロダバージョ
鶏肉とリオハCVC
鶏肉とリオハCVC
厚揚げの豚巻きとマセラード
厚揚げの豚巻きとマセラード

あさりご飯とマセラード
あさりご飯とマセラード
バスクチーズケーキとキンカンとマセラード
バスクチーズケーキとキンカンとマセラード

リオハ風煮込みとリオハ赤
リオハ風煮込みとリオハ赤
チュレトンとクラシックリオハ赤
チュレトンとクラシックリオハ赤
チュレトン
チュレトン
煮込みとラマンチャテンプラニーリョ
煮込みとラマンチャテンプラニーリョ

子羊とリオハアラベサ
子羊とリオハアラベサ
イノシシ肉と根菜とメンシア
イノシシ肉と根菜とメンシア
チーズとメンシア
チーズとメンシア
タコと野菜の鉄板焼きとメンシア
タコと野菜の鉄板焼きとメンシア

牛ステーキとリベラ・デル・ドゥエロ
牛ステーキとリベラ・デル・ドゥエロ
リオハ風煮込みとクラシックリオハ
リオハ風煮込みとクラシックリオハ
ハモン・イベリコとリオハワイン
ハモン・イベリコとリオハワイン
牛串とリオハレセルバ
牛串とリオハレセルバ

豚肉と野菜の煮込みとリオハ
豚肉と野菜の煮込みとリオハ
リオハ風煮込みとリオハクリアンサ
リオハ風煮込みとリオハクリアンサ
牛テール煮込みとクラシックリオハ
牛テール煮込みとクラシックリオハ
ローストビーフとメンシア
ローストビーフとメンシア

牛ほほ肉とリオハレセルバ
牛ほほ肉とリオハレセルバ
炭火焼肉盛り合わせとリベラ・テンプラニーリョ
炭火焼肉盛り合わせとリベラ・テンプラニーリョ
牛煮込みとリオハレセルバ
牛煮込みとリオハレセルバ

2分間で理解する!最高のワインとは?リオハ最高の造り手が語った言葉

メルセデス・ロペス・デ・エレディア

 

また、私たちのワインを知るうえで、とても重要なことが他にもあります。それは、我々のワインはテイスティングのためでも商業目的でもなく、楽しむためものであり、テイスティングして「こんな化合物の香りがする~」だの「他にもこんな化合物の香りがする~」などと言うためのものでもありません。私たちのワインは、ワインを楽しみ、すべての料理の間に飲め、デザートの後にですら、疲れずに気持ちよく飲み続けられるものです。

祖父はよく、「良いワインというのは、その理由を説明できないものだ。」と言っていました。なぜなら、長くゆっくりとした辛抱強い製造過程の中で作られた香り、つまり、アルコール発酵中、二次発酵中、樽熟成中、瓶内熟成中に作られた香りというのは、これらの過程によってワインを複雑にさせる多くの芳香族化合物を形成し、そして完璧さを追求しようとします。完璧さというのは、それらの化合物すべてが調和のとれた形で統合され、それは不可能に近いが、何か一つが他より際立ってはいけないのです。したがって、祖父が言っていたように、良いワインというのは実際のところ言葉では言い表せないものなのです。

 一番良いワインというものは存在しません。完璧な人間などいないのと同じように、完璧なワインなど存在しないのです。しかし、私たちのミッションは、その「完璧」を探求することです。中でもとりわけ、飲みやすく、上品でエレガントなワイン(ファインワイン)というのは、私たちの感覚・味覚・思考を飽きさせないものです。私たちの祖父が「al borracho fino despues del postre vino(デザートワインのあとにボラーチョ・フィノに?ちょっとよくわからない)」と言っていたように、楽しみ続けてもらえたらと思います。デザートが終わったあとでも、まだ飲みたいと思えるようなそんなワイン。それがヴィニャ・トンドニアです。

 

 

※スペインのことわざ

”Borracho que come dulce y toma vino, es un borracho fino”

「デザートを食べながらワインを飲む酔っぱらいは、ボラーチョ・フィノだ」

fino = 上品な、上質な、繊細な

 

 

以下スペイン語:

Mercedez López de Heredia (Viña Tondonia)

 

Luego hay otra cosa muy importante, que se debe de saber de nuestros vinos; y es que nuestros vinos no son vinos de cata, no son vinos comerciales, sino que son vinos de disfrute, son vinos que no son para catarlos y decir que huelen a un cierto compuesto o a otro cierto compuesto; sino que son vinos para disfrutarlos, para tomarlos durante toda la comida e incluso después del postre, no te cansan y quieres seguir consumiéndolos y disfrutándolos.

Nuestro abuelo solía decir que el mejor vino es aquél que no se puede describir.  ¿Por qué?  Porque todos los compuestos aromáticos que se han ido formando a lo largo del lento y paciente proceso de elaboración, es decir, durante la fermentación alcohólica, durante la segunda fermentación, la fase de crianza, la fase de envejecimiento en botella...  se forman muchos compuentos aromáticos que hacen que el vino sea complejo, y se trata de buscar la perfección.  La perfección es cuando todos esos compuestos están integrados de manera tan armoníca, que es imposible decir que uno destaca sobre los demás; y por tanto, como decía nuesto abuelo, el mejor vino es aquél que es prácticamente indescriptible.

Que no existe nunca el mejor vino.  El vino perfecto no existe, como no existe el ser humano perfecto.  Pero nuestra misión es eso, es buscar la perdección.  Y sobre todo, un vino de trago fácil, un vino fino, elegante, que no canse ni nuestros sentidos ni nuestro paladar ni nuestra cabeza.  Que se pueda seguir disfrutando como decía también mi abuelo, “al borracho fino después del postre vino”.  Que después del postre, todavía tengas ganas de seguir tomándolos.  Eso es el Viña Tondonia.